黒猫ニーノと相葉さん。
第18章 猫の恩返し。
静まり返るリビングで
翔ちゃんはジェイの亡骸をスウェットごと胡座の上に乗せて
何度も
何度も
頭を撫で続けていて
俺はニーノを胸にギュッと抱いたまま
この腕から離すことが出来ずにいた。
どうして家から出て行ったの
どうして猫の姿に戻っちゃったの
どうして死んでしまったの…
聞きたいことはたくさんあるのに
腕の中のニーノは何一つ答えてくれなくて。
「そっか…」
それまで一言も言葉を発しなかった翔ちゃんが
ポツリ、と呟いた。
「ニーノ君と潤は…自分達の死期が分かってたのかも知れないな…」
「えっ…?」
「ほら、猫ってさ
自分の死に様を誰にも見られないようにするだろ?
だから…あんなとこにいたんじゃねーかな、って…
姿は人間でも、やっぱり元々猫だからさ
動物的な本能みたいなさ…」
「だから…俺らにも言えなかったってこと…?」
「多分な…
そうだ、雅紀。これさ…」
スーツの内ポケットからスマホを取り出すと
水族館に行った時の四人の写メを差し出した。
「プリントアウトしてくんないかな?
すっげー良く撮れてるじゃん?
ほら、潤もニーノ君もイイ顔してる」
「ホントだ…
もっと、色んなとこ連れてってあげたかったね…」
「あぁ…」
スマホの向こう側の二人は
本当にイイ顔をしていた。
もっと
もっと一緒に笑い合いたかった
もっと
もっと、愛したかった…。
翔ちゃんはジェイの亡骸をスウェットごと胡座の上に乗せて
何度も
何度も
頭を撫で続けていて
俺はニーノを胸にギュッと抱いたまま
この腕から離すことが出来ずにいた。
どうして家から出て行ったの
どうして猫の姿に戻っちゃったの
どうして死んでしまったの…
聞きたいことはたくさんあるのに
腕の中のニーノは何一つ答えてくれなくて。
「そっか…」
それまで一言も言葉を発しなかった翔ちゃんが
ポツリ、と呟いた。
「ニーノ君と潤は…自分達の死期が分かってたのかも知れないな…」
「えっ…?」
「ほら、猫ってさ
自分の死に様を誰にも見られないようにするだろ?
だから…あんなとこにいたんじゃねーかな、って…
姿は人間でも、やっぱり元々猫だからさ
動物的な本能みたいなさ…」
「だから…俺らにも言えなかったってこと…?」
「多分な…
そうだ、雅紀。これさ…」
スーツの内ポケットからスマホを取り出すと
水族館に行った時の四人の写メを差し出した。
「プリントアウトしてくんないかな?
すっげー良く撮れてるじゃん?
ほら、潤もニーノ君もイイ顔してる」
「ホントだ…
もっと、色んなとこ連れてってあげたかったね…」
「あぁ…」
スマホの向こう側の二人は
本当にイイ顔をしていた。
もっと
もっと一緒に笑い合いたかった
もっと
もっと、愛したかった…。