黒猫ニーノと相葉さん。
第18章 猫の恩返し。
ワインケースを2つ。
その中にそれぞれスウェットごと亡骸を納めると
翔ちゃんはポケットから取り出したジェイの首輪も一緒に納めた。
「俺も。」
引き出しに閉まってあったニーノの赤い首輪を
入れた。
「今日はね、肉じゃがにしたんだ」
薄味の肉じゃがなら
ニーノも少しは食べれるかなって思ったから。
甘い厚焼き玉子もね
ニーノが大好きだったやつ。
それから揚げ出し豆腐
これは翔ちゃんのツマミね。
翔ちゃんが持ってきたお酒はいつものビールじゃなくて
日本酒だった。
「献杯、だからね」
わざわざ持参してくれた日本酒用の小さな器を持って
「「献杯」」
法事でやるように
杯を上に掲げず、鳴らさずに
静かに二人、日本酒を頂いた。
「写真、プリントしといたよ。
ほら、二枚。
それぞれ自宅に飾ろう?」
「うん…。ありがとな。」
飲み慣れない日本酒は
心の深い所まで染み渡って行くようで。
「潤…」
それまで一度も涙を見せなかった翔ちゃんの目から
綺麗な涙がポタリ、と落ちた。
ずっと気丈に振舞っていてくれた。
ごめんね、翔ちゃん
俺がこんなだから
泣きたいのに泣けなかったんだよね…?
「泣いていいよ、翔ちゃん。」
肩を引き寄せると
俺の胸に顔をうずめて
翔ちゃんは静かに
声を殺して泣いた。
その中にそれぞれスウェットごと亡骸を納めると
翔ちゃんはポケットから取り出したジェイの首輪も一緒に納めた。
「俺も。」
引き出しに閉まってあったニーノの赤い首輪を
入れた。
「今日はね、肉じゃがにしたんだ」
薄味の肉じゃがなら
ニーノも少しは食べれるかなって思ったから。
甘い厚焼き玉子もね
ニーノが大好きだったやつ。
それから揚げ出し豆腐
これは翔ちゃんのツマミね。
翔ちゃんが持ってきたお酒はいつものビールじゃなくて
日本酒だった。
「献杯、だからね」
わざわざ持参してくれた日本酒用の小さな器を持って
「「献杯」」
法事でやるように
杯を上に掲げず、鳴らさずに
静かに二人、日本酒を頂いた。
「写真、プリントしといたよ。
ほら、二枚。
それぞれ自宅に飾ろう?」
「うん…。ありがとな。」
飲み慣れない日本酒は
心の深い所まで染み渡って行くようで。
「潤…」
それまで一度も涙を見せなかった翔ちゃんの目から
綺麗な涙がポタリ、と落ちた。
ずっと気丈に振舞っていてくれた。
ごめんね、翔ちゃん
俺がこんなだから
泣きたいのに泣けなかったんだよね…?
「泣いていいよ、翔ちゃん。」
肩を引き寄せると
俺の胸に顔をうずめて
翔ちゃんは静かに
声を殺して泣いた。