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黒猫ニーノと相葉さん。

第19章 復活 LOVE 。

土曜日。


二人で朝食を食べたあと
俺の運転する車で
ニーノとジェイが眠る霊園へと向かった。

翔ちゃんが買ってきてくれた黄色い小菊と
紫のりんどうの花束を2つ持って。



「いい天気だねぇ」


「あぁ。」



霊園のすぐ側には川が流れていて
川沿いには桜の木が何本も並んでる。



「桜はこのくらいが一番好きだなぁ、俺。」

「なんで?」


「だって美味しそうじゃない?」


「葉桜を『美味しそう』って表現する人、初めてだわ!(笑)」

「桜餅を連想するのっ!」




風が吹いて
桜の花びらがふわり、と舞った。



ここに来れば
いつだってニーノに会える。

ジェイと喧嘩しちゃダメだよ?
仲良くね?


月命日には
必ずここに来るからね。


俺のこと、忘れないでよ…?




翔ちゃんと二人、並んで手を合わせると




『相葉さんっ…』

『翔くん…』




二人の声が
風に乗って聴こえてきた気がした。










「すっかり遅くなっちゃったな」

「ちょっと混んでたもんね」



家に着くと
ドアのところにメモ書きが挟まってる。




『ご挨拶に伺いましたがご不在でしたので
また改めてお伺いします。

202号室   一 』




この、『 一 』は何だろう?

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