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黒猫ニーノと相葉さん。

第2章 魔法の条件。

グッタリしたぼくをタオルでサッと拭いて
おっきなバスタオルでグルンと包んで
相葉さんはぼくをヒョイと持ち上げた


「わわっ!」


なされるがまま
寝室に運ばれて
ベッドにそっと寝かされて。

「着替えてくるからちょっと待っててね?」


恥ずかしいのと
ボーッとしてるのとで
なんだかふわふわしてて。


「お水飲もうね?」

着替え終えた相葉さんが
ペットボトルを持ってきて
ぼくの身体を起こしてくれた。



「ぼくと相葉さんのご挨拶、してくれる?」

「今?」

「うん、今。
あれでぼく、元気が出るの。」


「ん。いいよ。」






ぼく、嘘をついた。
元気が出るのは本当だけど
でも違うの。
違うんだ。


「はい。」

相葉さんの鼻が
ぼくの鼻にくっ付いた。







『ぼくをあいして。』







声には出さずにそう言って



ぼくは相葉さんにくちづけた。













ごめんね、相葉さん。

ズルイぼくを、許して。

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