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黒猫ニーノと相葉さん。

第2章 魔法の条件。

考えてみたら
ぼくが猫の時は
抱き上げられてチュッてされることもあった

だから
ここまでは
きっと相葉さんのぼくへの許容範囲で。



それでも嬉しかったんだ。
相葉さんからの “あいしてる。”が
相葉さんからのキスが

本当に
本当に
嬉しかったんだ。




「あり…が、とう、相…葉、さん…。」

そう返すのが
精一杯だった。



ねぇ、相葉さん。
相葉さんは今、何を思ってるの?

泣いてるのは
ぼくの悲しみを感じてるから?



突然キスして
突然泣き出して

涙でグシャグシャで
頭の中もグシャグシャで。

そんなぼくに
相葉さんは優しくて


「落ち着くまでこうしてるからね。」
って
手を握ってくれていた。



「もう少ししたら散歩でも行こうか?」


「散歩…?」

「うん。気分転換に。」


相葉さんが買ってきてくれた服を着て
散歩に行くことにした。

少しは気持ちが晴れるかな?




相葉さんが連れてきてくれたのは
大きな木のある小さな丘で。


「考え事がある時によくここに来るんだ」


そっか…。

ぼくの知らない相葉さんの一面。


「夜になるとね、夜景も星空もすごく綺麗なんだよ」

そう言って芝生の上に寝転んだ

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