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黒猫ニーノと相葉さん。

第4章 イエローカードの不思議。

相葉さん、遅いな…


出掛けてからかれこれ1時間
いつもなら30分もあれば余裕で帰ってくるのに。

お風呂も張れたし洗濯物もたたみ終わった。


何かあったのかな
そう思ったすぐ後に
玄関のドアが開いた。


「ごめんね、遅くなっちゃって」

「お帰りなさい。あんまり遅いから心配したよ」


「ホント、ごめんね。すぐ支度するから」






えっ…?






キッチンに向かうのに
ぼくの横をスッと通り過ぎた相葉さんから
相葉さんじゃない匂いがした。



甘い、匂い。





女の人の、匂い。





なんで?

どうして?



「相葉さん…?」

「んー?」



「匂い、」

「えっ?」




「相葉さんから、女の人の匂いがしてるよ」


意地悪な言い方だったかも知れない。
なんだかいたたまれなくて
相葉さんの顔も見れないままキッチンを飛び出して
真っ暗な寝室に閉じこもった。

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