テキストサイズ

黒猫ニーノと相葉さん。

第1章 月神様にお願い。

『ぼくと相葉さんの為って、どういうこと?』


『忘れたのか?俺は、』

『あっ。』


そうだ。ジェイは、


『エンパシーキャット。』

『ご名答』


悲しみのエネルギーに敏感で
他人の悲しみを自分の悲しみのように感じてしまう共感力
“エンパス”を持つ猫。
それが“エンパシーキャット”。

人間にはよくいるらしくて
相葉さんもそうらしいけど
猫にもそんな力を持ってる奴がいるなんてね。



『ジェイ、相葉さんの悲しみをキャッチしたの?』

『まぁ、そんなとこだ。
さぁ、着いたぞ』


小さな通りから
更に一本奥に入った細道を抜けたところにある、古ぼけた神社に
どこからともなく沢山の猫族が集まってきた。



『いよいよだ』



月の光の柱が
まるで滑り台のように真っ直ぐに伸びる



『『『あっ!!!』』』



キラキラと光の粉が舞うと
光の柱の滑り台をシュルリと誰かが滑り降りてきた。





ー ドスン ー





鈍い音がしたかと思うと
大きな塊が地面に落ちて


「痛ってぇぇーーーー。」

なんとも情けない声をあげた。



『『『月神様! オーノ様!』』』



「イテテテテ。 いや、大丈夫、大丈夫。
待たせたね、みんな」





月神様…?
この人が ?!


『なーごっ…。(嘘だろ…。)』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ