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ずっと隣で笑っていて

第14章 第十四話

俺はしがない芸能事務所のマネージャーをしている

そんな俺が渋谷で拾ったのが智なんだ

人混みに気配を消すように背中を丸めて歩いてた

すれ違った横顔に俺は惹き付けられるように後を追った

ボロいアパートの前で俺から声をかけたんだ

「君 俳優になってみない?」

「ハ~?」

状況を飲み込めないでいる智を無理矢理事務所に連れてったのは5年前の話


智には誰にもない耀きがあったんだ

磨けば光る 最高の逸材

俺は自分の直感を信じた


それから俺は智を売り出すため 懸命に仕事を取った

なんでもさせた


辛くて泣く智を抱き締めて励ます

俳優とマネージャーから 大事な関係になるまで時間はかからなかった


智は歯を食い縛って懸命に働いた


ようやく ちょい役でも貰えて それが結構評価が高くて

やっと やっと

世間にも知られてきた頃 大きな仕事のオーディションをうけることになったんだ

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