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ずっと隣で笑っていて

第25章 第二十五話

今日もまた バイト帰りに公園に寄った


翔の隣には


桜の木をみつめて涙する女性がいた


翔がその美しい指で優しく慈しむように涙を拭っても


その人は身動ぎもしない


ただ涙が止まることもなく頬を濡らしていた


「…翔… うぅ…」


叫びとも嗚咽ともつかず踞る


優しく肩を抱き寄せる翔…


そして翔の頬を涙の滴が溢れた


月の滴のようにキラキラと輝く滴


あまりにも儚くて


美しくて…


俺は呆然と立ち尽くすことしかできなかった

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