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イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~

第6章 思惑



クリスは軽く片手を上げて彼女を見送っていたが、彼女の姿が見えなくなると、急に険しい表情になった。


(あいつ…どこまで踏み込んでいるんだ?)


去り際に見せた、苦しげな顔。
それが何を意味しているのかわからないが…引っかかるものがあった。


クリスは溜息を吐くと、牧師服を脱ぎ捨て、代わりに長椅子にかけていた上着を羽織った。


「仕事」の時間だ。それ以外の余計なことを考えている暇はない。
クリスな優しげな牧師の仮面を外し、教会をあとにした―――。


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