イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第9章 追憶
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はあ、はあ、と子供部屋に荒い呼吸が響く。兄の下肢に抱きつき、テリザは腰をくねらせ、小さな声を上げた。
「ん……、にい、さん……」
「んっ……」
テリザの秘部に舌を這わせながら、ラルフは自らの腰をテリザの口元に押し付けた。立ち上がった兄のそれを口に咥え、テリザはぎこちなく舌を動かす。
与えられる快感に、体は正直だ。気持ちいい、という、ただそれだけのことで体は応え、愛液を生成する。
これが近親相姦という悪魔の所業でありながらも、テリザは罪悪感を抱いていなかった。そもそも彼女は、これがどういう行為であるのか分かっていなかったからだ。セックスというものが意味することを、幼い彼女は知らない。そのため、彼女はただ生理的な欲求に従い、兄に忠実に応え、そのペニスをしゃぶって快感を彼に与えていた。
半年前に、ラルフはテリザに自慰の手伝いを教えた。互いの秘部を舐め合うと気持ちいいと知ってからは、二人は夜毎に互いを貪った。
「っ……」
口の中に射精され、テリザは顔をしかめた。口内に出されたものが何であるか彼女は知らなかったが、腰を離され、ようやく終わったのだと何となく悟った。