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イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~

第2章 ティーカップ






広間の方から、舞踏会の華やかなセレナーデが聞こえてくる。
バルコニーにひとり立ち、行ってしまった彼の言葉を思い返してした。


『今夜、あなたと出会ったことを...私は忘れられないでしょう』

(顔を見ることは出来なかったけど、きっとあの人は...敵の貴族のひとり...)


けれど、顔も名前も知らない彼の甘い声や、指先に残ったキスの熱が、
いつまでも消えなかった...――。




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