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嫌われ狸の一生

第14章 たぬき流処世術

『進言もできるイエスマン』

イエスマンはダメ、上にも意見を言え。
よく聞く言葉だが、これは建前。

多くの上司はイエスマンが好き。歯向かうヤツはキライなのが世の常。

だったら歯向かわないように意見してみる。

報告書とかに違ってるところがあれば、失礼ながらこうだと思いますが・・と自信なさげに指摘する。強気には見られないようにする。

打合せで自分の意見のようにしたい時は、蛇足ながら・・とやはり強気にならないように発言する。

ちょっと自慢だが、この蛇足がけっこういい案でほめられたこともあるし、自信なさげとか控えめだと上司の意見を否定してるとはまず思われないから、受け入れる方も受け入れやすいんだよね。

『是非に及ばす』
これは本能寺で明智の襲撃を知った時の信長様の言葉。ジタバタしてもしょうがないの意味。

悪いことってできれば報告したくないよね。
でも、いつまでも隠せるものではないし、報告が遅れれば対応も遅れて事態は悪化する。

是非に及ばすと覚悟を決めて悪いことは早めに報告しよう。

どうせ怒られるんだから、早くした方が自分への被害も少ないよ。後になればなるほど自分もヒドイ目に遭う。

でも、今思うのは、悪いこともざっくばらんに話ができるような環境を作るのが上の役目だよ。
なかなかそんな雰囲気はないのが現実だから、是非に及ばすでいこう。

『ウソはつくな つくならつき通せ』
初代ガンダム制作秘話。上層部はアニメなのにリアリティー重視の作品など売れるワケがないと全否定。当時はアニメはハチャメチャなものだと思われていた。

ガンダムを成功させたい製作者たちはマジンガーのような作品ですとウソをついた。初代だけ主題歌がマジンガーとかみたいなのはカムフラージュのため。
結果、ガンダムは空前絶後のメガヒットとなり、こうなれば上層部からあるのはお誉めの言葉のみ。

職場ではヘタなウソを付いて取り繕ってもすぐにバレて目茶苦茶怒られるものだ。
つくならガンダム製作者みたいにとことん突き通すしかない。

好条件の契約が成立しそうだけど、上が気に入らないところもあって決裁が・・なんて場合は、上が気に入らないところはカムフラージュして商談を進めることもある。事後決裁も何度かした。

結果がうまくいけば誉められるが、失敗なら悲惨。ガンダム製作者も相当腹をくくっただろうな。

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