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嫌われ狸の一生

第15章 子連同棲

店と居宅があるこの建物は慰謝料代わりに元夫の親の所有のものを貰ったらしい。
スゴい慰謝料だ。どんな悪いことをしたんだ、元夫
は。そして家は富豪だったんだな。

バスはもうない。1時間も歩けば帰れるのだが、お姉さまのお言葉に甘えて泊まってしまった。

朝、戦場(職場)に送り出してもらう時にお姉さまが用意してくれた朝食は美味しかったな。

それからお姉さまと真剣に付き合うようになって、社宅はそのままにしてあるが、お姉さまのところに泊まることが多くなった。

仕事のこととか考えてる時のボクの目が好き・・昔のお姉さまもそんなことを言ってくれた。泊まりで出張した時の飲みでボクを可愛がってくれる上司にもそんなことを言われた。

そんなに魅力的な目かな(照)
多分、塞ぎ混んでいても戦いを忘れていないとブライトさんやみんなが言っていたアムロの目と同じようなものだと自分では思う。

お姉さまの家にお泊まり、休日は小さな子供も一緒におでかけ・・そんな暮らしがボクには幸せだった。
子供もボクになついてくれたし、ボクも娘のように思っていた。

2~3年幸せな暮らしが続き、真剣に結婚しようと思ったのだが、カノジョの両親は大激怒。猛反対されて泣く泣く別れることになる。

今で言うアラフォーに近づいたバツイチ、子持ち、今度こそ成功してほしいのに、紹介した男がガキんちょでは大激怒もムリはないかな(泣)

店舗と居宅がある建物をポンと渡せるような元夫の家と比べれば経済的にも雲泥の差があるし・・

こうして、つかの間の家庭を追われたボクはまた一人戦う日々に身を投じていく。

お姉さまと娘との別れは悲しかったけど(泣)よかったのかな。

娘は大好きなお姉さまに似ている。当然だが、お姉さまは老いていき、娘はお姉さまのようないい女に成長していく。
いつまでも純粋に父親でいられたかは自信ないな・・・・

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