テキストサイズ

嫌われ狸の一生

第16章 本当の不幸の始まり~偽りの結婚~

父親はカノジョの実家に同居することが気に入らないようで、婿にでもどこにでも行ってしまえと言っていたので、数年同居するだけであることを説明して、昔から自分のことは自分で決めてさっさと出ていったから、息子なんていないみたいなもんじゃないかと言ったら父親は笑っていた。いや、泣いていたのか・・

結婚するまでは毎週休みには家に帰り、両親と酒を飲んだ。息子と酒を飲むのが楽しみだった父親。
この時が一番の親孝行だったかな。

父親は酒を飲んでも暴れることはなかった。
推測だが、今度そんなことをしたらボクが二度と家にきてくれなくなると思ってのことだろう。

そして、ついに結婚をした。

新婚旅行では毎晩激しくエッチをした。いや、初めてエッチしてからというものデートの度に激しくエッチをした。

かつてのお姉さまもそうだったけど、長い間エッチの経験がなくて覚えたりすると女性の方が激しく求めてくるね・・

カノジョもボクと付き合うまで処女だったのだ。

そして結婚してから2月ぐらいで子供がデキた。
ハネムーンベイビーではないよ。新婚旅行から帰ってから2回くらい生理があったから。

ジューンブライドは幸せになるってことで6月に結婚したのだが、そんなの嘘っぱちだと痛感することになる。

この後は地獄の底のまた底まで・・底なし沼のように転落していく。

後になって聞いた話だが、カノジョもボクのことが好きではなく、結婚を焦っていて、ボクがそこそこの会社に勤めて、そこそこのポジションにいて、ちゃんとした暮らしができそうだから目をつけただけだった。

愛もないのにラブラブな恋人のフリをして、利害関係が一致しただけで一緒になった偽りの結婚の向こう側に幸せなんてあるはずもないのにね・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ