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嫌われ狸の一生

第22章 別居生活

ボクが仕事で疲れてるから夏休みぐらいはゆっくりさせろとふたりを追い出したことになっていたようだ。

寝たぼけたことを言うのもほどほどにしろとボクは夏休みの悲しみをぶちまけてやった。

これから争うかも知れないのにこちらのカードをすべて出すのも得策でない。

ボクは、私はあなたがたお義母さんやお義父さんの悪口は一言も言ったことがない。妻は事あるごとに私の母親の悪口を言い続ける。笑がどれほど傷ついているか分かるかとも言ってやった。

これは早く出してしまってもかまわないカードだからだ。

それでも義父はかなりショックを受けていた。

ボクが必死に交渉して毎週子供を迎えにくる様子から夏休みに邪険にして追い出したなんて本当かと最近思っていたと言い出した。

そんな幼稚園児も騙せないような嘘に騙されるなんてバカじゃないのと言ってやった。親バカが過ぎるとこんな低レベルの嘘も気づけないんだねとも。

そして、失礼しました。初めてお義父さんとお義母さんを悪く言ってしまった。私は嘘が嫌いで嘘がつけないから。嘘をつき続けて嘘で塗りかたまったおたくの娘さんのようにはできないものでと。

これはボクの計算。

妻の父親も嘘が大嫌いな人だ。嘘に対しては無茶苦茶怒る。
まさにマグマが燃えている穴に爆弾を放り込んだようなもの。

ボクは嘘は嫌いだけど計算はする。

翌日妻は子供を連れて帰ってきた。
これだけのことをしてごめんなさいの一言もなく当然のように家にいる態度は殺してやりたくなるが、もはや無視。

妻には必要なことしか言わない。後は無視。
これが家庭内別居の始まりである。

それにしても、妻は相当こっぴどく怒られたんだろうな(笑笑) いい気味(笑笑)
それからしばらく実家にまったく行かなくなったことからもひどく怒られたことが想像つく。

どんな怒りっぷりだったんだろう。まさに鬼神のごとくかな。お~、怖い(笑)

そりゃあね~、向こうサイドからすればひどい夫を怒って慰謝料をふんだくりに来れば、娘の言うことはデタラメの嘘まみれでは面目丸みつぶれの赤っ恥だし(笑)、ましてや義父にとっては一番許せないことである嘘だもんな・・・

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