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嫌われ狸の一生

第23章 子供のこと

結婚当初はラブラブだったので(そうでなければ結婚なんてしないか・・)、結婚してすぐに子供かできた。

生まれてくれた時には本当に嬉しかった。
出産がよほどツラかったのか、妻はセックスを嫌うようになり、セックスレスになったが・・

1~2歳の頃は歩けるようになったり、言葉をしゃべったりと進化がめまぐるしい。

歩けるようになる姿は感動的だ。だんだん這うのが早くなり、立ってしまいたいのにそうもいかずにもどかしそう。そして、ついに立ち上がる。

2本足で歩くのが不思議なような、みんなと同じようになって喜んでいるようなそんな顔をしていた。

ボクが初めて聞いた子供の言葉は「返せ」(笑)
買ってあげた車のおもちゃを手で走らせて遊んでいて、小さいのにちゃんと遊ぶもんだなぁとか思って、手にしていなくて空いている車をいじっていたら「返せ」と言われたのだ。
子供には子供なりの車の置き位置というものがあったらしい。

子供に手をあげたのは一度だけ。
帰ったら、ビデオラックか何かをいたずらしたらしくてガラスが割れていた。割れたガラスが散乱している。

危ないと思って急いで子供をベッドの上にやり、どこにもガラスの破片がないことを確認すると、ダメじゃないかと思わず叩いていた。

妻は呆然としていたので、ボケッとしてないで早く安全を確保しないか、バカタレと怒鳴った。

子供とはよく遊びに行ったのでなついてくれていた。

ボクは暴力的で酒乱な父親を嫌い距離を取っていたので、この点はよかった。

でも、妻とは喧嘩が絶えず、いつも怒鳴っているのが目に焼きついていたみたいで、ボクのことを怖がっていたりもした。

それが分かったのは別居した時。週末は子供を迎えに行って、ボクが料理を作ったり外食に行ったり。

外食はガストや安楽亭まで歩いていくことが多かった。お子様セットは安いし、チラシのサービス券を使えばさらに半額。

サービス券でビールとかも格安に飲んだ。

このサービス券は今はもう廃止している。
安楽亭はサービス券があるけど、値段は上がっているかな・・

ある時にちょっと奮発して回転寿司に行った。
好きなのを取っていいと言ったのに、いちいちボクの顔色をうかがって取る。

欲しそうにデザートの皿を見ているので欲しいのか聞いたらうんと言った。

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