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嫌われ狸の一生

第24章 尿管結石

病室に行くとセフレちゃんはまだいてくれた。
万が一妻が来たら仕事の用事で来たように見せるためにスーツに着替えて書類らしきものが入ったカバンも持っていた。

この気遣い、こういう女性と結婚したかった。

スーツ姿は初めて見るよ。いいね~。

ボクがムラムラしてるのはカノジョにはすぐにバレて、使えなくなっちゃったくせに~、きゃははと笑われた。

ボクは少し悲しそうに、使えなくなったらもう用はない?と言った。

んっ、もう、しょうがない人ね。待っててあげるよ治るまでは。治ったらさっきの名演技のお礼もかねてうんとサービスしてもらうからねとカノジョは笑った。

しかし入院か・・大変だ。
ボクは会社に連絡して仕事の段取りをしたり、保険会社に連絡して保険請求手続きをしたりとテキパキと動いた。

常人ならすぐに眠るくらい超強力な麻酔を射ったのに信じられないとまたまた医者を驚かせた。

石は外科病棟に入院させられる。
困るのは食事。内科病棟と違ってポテトフライやら唐揚げやらフライやらビールを飲みたくなるものが出てくる。

入院は1週間だったが、妻はこの間一回だけきた。
何やら文句ばかり言っていて、何しに来たのか分からない。

セフレちゃんはこまめに来てくれたのに。
安心してください、鉢合わせはしませんでした(笑)

セフレちゃんに頼んでこっそり缶ビールを買ってきてもらった。

これは看護婦さんにバレて、偽装妻のことも含めてめってされちゃった。
でも本物の妻を見て同情されちゃったよ。

ビールって石が溶けやすくなるけど、また石ができやすい成分もあるんだって。

入院生活は退屈だが楽しい。
ちょうど夏休みだったので朝はコナンの再放送を見て、昼間ははぐれ刑事や水戸黄門を見る。

小説を書いたりもした。

入院患者のジジババにも高齢ながら恋愛事情があって三角関係とかいろいろある(笑)
その歳になればどうでもいいじゃないか。みんなで仲良くすればいいのに・・・

1週間したら石がだいぶ溶けて、飲み薬でも可能になったので、半ば無理に退院した。

保険の手続きをした時に10日以上だと保険金が多かったことを知り、あと3日無理にでも入院してればよかったと心底後悔した。

もし入院とかすることになったら、保険内容とかをよく検討して行動しようね。

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