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嫌われ狸の一生

第32章 絶望はとまらない

セフレちゃんが一緒にいてくれたおかげで、うつ病がバレることめなく法事は無事終わった。

マン毛をくるんだパンティなんか忍ばせて不謹慎ではあったが、ボクには神聖な御守だった。

それからしばらくして、町内の班会の人たちがやってきた。
この時にウチに班長が回ってきていたことを始めて知ったのだが、妻が集金した町内会費を使い込んでいたことを知らされた。

クレジットカード窃盗、子供の貯金の使い込みに続いて3回目だ。もう許せない。

ボクはうつ病の自分がこんなに怒れるのかと驚くぐらい大激怒した。

妻は知らないの一点張りだったが、張り倒した。蹴った。床に頭をぐりぐり押しつけた。

風俗でボロボロになるまで客を取るか、保険金が残るように死ぬか、一生刑務所で過ごすか好きなのを選べ、この犯罪者とののしった。

妻はブルブル震えて泣いていた。

ようし分かった、警察だ。明治時代ぐらいまでは窃盗やスリは死罪だった、オレは可能な限りの極刑を求刑するぞ、町の人にも極刑を訴えてもらう、覚悟しろと妻を警察に連行しようとした。

多分、妻はこんなにキレてるボクを見るのは始めてだっただろう。もう無事ではすまないと思ったのだろう。

ブルブル震えて泣きながら土下座して、最後に両親に会わせてくださいと訴えた。

つくずくボクも甘い。是が非でも警察に連行すればいいのに、最後に両親に会わせてやることにした。

実家に行くと妻は泣きながら事の次第を告白した。ボクは町中の署名を集めてでも極刑を求刑すると冷たく言いはなった。

厳しい親も親バカだ。
妻にぶち怒りながらも、おカネは弁償するから今回はそれで許してほしいとボクに土下座した。

妻のお年玉とかを預かってたおカネがあるとか。本当かどうかは知らないが、親が子供のお年玉を預かるってよくある話だ。

この家は親戚多いからな・・・
ウチなんか親戚付き合いないから巻き上げられるお年玉もなかった。
そんなことを思った。

今夜班の人たちが集まるところでおカネを返して謝罪しなければならない。

妻はブルブル震えて硬直しているので、テメェがやったことだろ、最後のケジメぐらいつけんかと怒鳴った。カネは親御さんに甘えて謝罪もしないとはどこまで甘えれば気がすむんだ、幼稚園児以下かと親の前で散々罵倒した。

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