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嫌われ狸の一生

第33章 犬

ありがとう、さようなら、ごめんね・・・いろんな想いを抱きしめて犬を送った。

やはり犬がいないと寂しいので、それからすぐにまた犬をもらってきた。

今度は血統書つきの2歳の黒とクリーム色のダックスフンドだ。

この犬をくれた人はブリーダーをしている人みたいで、この犬は繁殖用だったらしい。
もう繁殖用に使えなくなったら邪魔だったみたいで、犬をボクたちにくれると嬉しそうに去って行った。

犬をもらえたのは嬉しいが、完全に商品として扱って愛情もまったくないその態度を見ると哀しくもあった。

この犬は一応人に飼われていただけあって甘えん坊ですぐになついてくれた。

多分、前の環境的にあまり甘えたりできなかったから嬉しいのだろう。

残念なことに、3月ぐらいでボクは単身赴任することになるが、帰るといつも一緒だし、一緒に寝る。

夏休みとかに単身赴任先に連れてきてあげたこともある。

この犬の嬉しそうな顔を見ている時がボクも一番の幸せだ。

いつか別れがくるけど、それまではずっと一緒にいたいな。

あと10年ぐらいは生きるとして、ボクもこの犬と一緒に逝くのかな・・それとも、もう一回は犬と暮らせるのかな・・・

そんなことを考えてしまう歳になったんだな・

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