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ふざけるな。ボクは怒鳴っていた。

保険金が残るように死んで借金を払え。死ね、死んでしまえと怒鳴った。

親にこんなことを言うなんて残酷なことは分かっていた。でも止められなかった。

電話の向こうでは父親と母親が交互に出て、酷過ぎるとか泣いて怒っていた。

酷過ぎるのは誰だと、ボクはこれまで妻がしてきたことをすべてぶちまけた。

ボクの母親を憎んでいること、クレジットカード窃盗、子供の貯金の使い込み、単身赴任をしても帰る度に悪口雑言を繰り返すこと、憎しみや妄想に支配された精神異常者なのにそれを受け入れず、病院に行こうといえば暴れて手がつけられないこと・・

一切合切すべてぶちまけた。
ボクがどんなに心がズタズタかを泣き叫んでいた。

妻の両親はかなりのショックを受けていた。
電話の向こうでも泣いていた。

次の土日に帰るからその時に話合おうとのこと。

終わった。すべてが終わったと思っていた。
離婚確実・・子供と犬は取られると覚悟した。

家も車もカネもびた一文やるものか。
慰謝料なんて請求しやがったら今度こそ裁判でガチ勝負してやる。逆に慰謝料請求だ。

そんなことを思っていた。最悪のクリスマス。

土日は、車がボロボロになったので買い換えた新車の引き取り日でもある。
最悪な新車デビューだな・・

うつ病の症状がひどくなる。
病院に行きたいけど、土曜は車のことやマイナンバー手続きもしなきゃだから時間ないな・・

金曜の夜、帰りの電車で妻からの電話を受けた。
悪かった、やり直したいと信じられない言葉が飛び出した。

妻と子供は実家にいるらしい。犬がボクに飛びついてきてクーンクーンと泣いていた。

家族の異変を感じて、もうボクには会えないと思っていたのかな。ボクにしがみついて離れようとしない。

土曜、新車を受け取り、市役所へ行った。
マイナンバー、面倒くさいことしやがる。

もう病院はやってないけど少し時間がある。
ドライブしよう。初めて乗せるのは犬だ。
犬は嬉しそうにしている。

帰ると妻と子供が夕食の支度をしていた。
これからはボクの食事も用意するとのこと。

夕食後に妻の実家に行った。

まず、妻の借金は実家ですべて払ってくれたとのこと。ボクに対する慰謝料がわりでもあるからと言ってくれた。

そして、ウチは本当に崩壊していたことを知らされる。