
どうか、
第2章 高木の決心
次の日、俺は会社を休んだ。
あまり休暇をとることのなかった俺に上司は心配の声を送ってきたが、簡単に返事を打って適当に流した。
女性は行為のあと腰に痛みを感じることがあるという。実際大学時代にいた恋人とした時に翌朝腰痛を訴えられたことがあったが、男からするとそんなことは微塵も分からない。
だが、それを今こんなふうに経験するとは思いもよらなかった。
昨晩、俺の身体の中の後処理をしようとする桜太郎を追い出して倒れるように眠り込んだ。
寝る直前、何度もフラッシュバックする中の異物感。嫌々ながら押し付けられ続けた快感。そして、桜太郎の顔。
昨日あれだけ怒りをぶつけたというのに、まだ彼との行為は俺の身体に残っている。
それは、嫌悪でもあり、燻りでもあった。
あれだけ嫌だったというのに、身体はもう快感を覚えていて。
「っ…くそが…」
無意識に、指がそこを求めていく。
