カラダも、ココロも。
第2章 目覚めと、夕暮れ
【藤井喜文】
「もちろん、お断りさせて頂きます。」
にっこり、と笑顔で息子は断った。
こいつの意志は変っていないと心底で思っていたが……。
「……それは、農家になりたいからか?」
「はい」
間髪入れずに答えた。
(農家の仕事がどれだけ大変か!お前には無理だ!)
幾度となくぶつけてきた言葉を飲み込む。
そして今日の為に用意した言葉を投げ掛ける。
「社長を引き受けないなら今後の学費、そして、留学費用を今スグ払え。」
そして、その額を記入した紙を一臣の前に差し出す。
「……今すぐ……!?」
一臣が眉を顰め、睨んでくる。
恐る恐る、といった感じにその金額を確かめている。
喉仏が上下した…。唾を飲み込んだのだ。
(どうだ…大学2年のお前にその金額は…到底払えないだろう?)
「5年でいい。」と、追加の言葉も。
そして…一臣は頭を抱え、「はぁ」と長い息を吐いた。
自分の口角が上がるのがわかる。
―――――勝った。
「もちろん、お断りさせて頂きます。」
にっこり、と笑顔で息子は断った。
こいつの意志は変っていないと心底で思っていたが……。
「……それは、農家になりたいからか?」
「はい」
間髪入れずに答えた。
(農家の仕事がどれだけ大変か!お前には無理だ!)
幾度となくぶつけてきた言葉を飲み込む。
そして今日の為に用意した言葉を投げ掛ける。
「社長を引き受けないなら今後の学費、そして、留学費用を今スグ払え。」
そして、その額を記入した紙を一臣の前に差し出す。
「……今すぐ……!?」
一臣が眉を顰め、睨んでくる。
恐る恐る、といった感じにその金額を確かめている。
喉仏が上下した…。唾を飲み込んだのだ。
(どうだ…大学2年のお前にその金額は…到底払えないだろう?)
「5年でいい。」と、追加の言葉も。
そして…一臣は頭を抱え、「はぁ」と長い息を吐いた。
自分の口角が上がるのがわかる。
―――――勝った。