カラダも、ココロも。
第3章 新人社長
「えっと…じゃあ七条さん。今まで実施された企画内容とか、クレーム内容が載ってる資料とりあえず全部持ってきて。
あと従業員名簿もお願いします。」
「はぁいん」
胸をぶるんぶるん揺らしながら駆けていった。
『―やるからには徹底的にやりなさい』
母さんからの言葉だ。
あんな男の会社を引き受けるってのは、癪だけど、
狸親父から金を借りたのは事実だから、私には返す義務はある。だから、それなりに頑張ってみようと思う。
「待たせてすみませぇん!
まずぅ…これが従業員名簿となっていますぅん。
その他のものもぉ今からぁ持ってきますぅん!」
「ありがとう」
七条さんはぺこりとお辞儀をして、また資料を取りにいった。
話し方で少し引いてしまったけど、走って重い資料を持ってきてくれる辺り、礼儀のしっかりしたいい人なのかもしれない。
従業員名簿には、本名や住所、実年齢好きな食べ物から好きなタイプまでびっしりと書かれているため、結構分厚い。
(そうだな。
先ずは従業員の顔と名前を一致出来るくらいは出来ないと…―)
ペラッ。