カラダも、ココロも。
第3章 新人社長
いつものように化粧をすませた私は、仕事場に入る。
私のお客様は…いた。
慣れていないのか、席の端にちょこんと座っている。
「はじめまして、ユキです」
「あ……今晩は」
苦笑いを浮かべる男性は、さっぱりと短めの黒髪がよく似合っていて、年格好からして私と同じくらいだと思う。
隣に座ると、その男性は少し身を固くした。
「初めてなんですか?ここ」
「いえ、あの、社長に…」
男性は眞鍋さんと名乗った。
聞いてみると、彼はゲームメーカーの社員だそうなのだが、接待として此処に連れてこられたらしい。
普通の社員を連れてくるのだから、とても気に入られてるのだろう。
そんな社長は追加料金で女の子と個別ルームでお楽しみ中。
「なるほど…」
「だからあの、ほんと何もしなくて良いですから!」
「そんな事言われるとなんかへこみます…。」