カラダも、ココロも。
第5章 家がないっ!!
「ぁ…まだいけそうかも…っ」
ゆるゆると指が動いている。
当分は部屋を開けてくれなさそうだ。
私のささやかな期待も萎み、
5階を後にした。
――――――
6階…どうやらここは風呂場のようだ。
「ゆ」と書かれた赤と青の二種類ののれんが掛かっている。
オーストラリアにはこんなのは無かったが、色味的に青が男湯だろう。
バスタオルも用意してあるようだから、入ることにした。
「あら、社長じゃない」
脱衣場にはセクキャバ部門の長谷川さん、それからキャバクラ部門の田出さんと、ホステス部門の矢木さん。
店長揃いだ。
皆私より年上だから緊張する。
「こいつ(長谷川)、男にしか興味ないから気を付けた方がいいですよ」
そう真顔で言うのは田出さん。