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小さな恋のストーリー

第3章 あの森の二人

「寒いから中入って」


「うん、分かった」


ようやく雫は向きを変え家に戻る。


僕は足早に森を歩く。


でもやっぱり気になって、振り返ると、ドアを少し開け、中から僕を見送っていた。


もう一度僕が手を振ると、雫も小さく手を振って、やっと扉を閉めた。


相変わらず可愛い大人だ。


そんな僕もいい大人だが…


シチューか...


シチューの湯気の向こうには雫の姿がワンセットで頭に浮かんだ。


心が少し温まる気持ちになりながら、冷たい風に負けず森を抜けた。






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