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10分屋【ARS・N】

第9章 コーヒーチケット

二「強いとか弱いとか、他人が見てわかんのかな。」

松潤が振り返って俺を見た。

大「ん…、ニノおはよ。」

居眠りしてたリーダーが目を覚ました。

二「おはよ、大野さん。」

相「そうだ、リーダー。銀座に日本初出店のチョコレート屋ができるらしいよ。」

大「お、そうか。」

松「知ってる。デンマークの王室御用達のとこだろ?」

大「チョコレートケーキもあるかな?」

相「あるといいね。」

手元にある紙コップに淹れたコーヒーは、ふくよかで芳ばしい香りがした。

結構いい豆を使ってあるんだろうな。

でも違うんだよ。

本当に好きなコーヒーは…。

テレビの中のアキコさんは、活動予定の財団の活動のビジョンについて語っていた。

そして、自分を含め同じ病気に苦しむ人のために全財産をつぎ込みたい、と。

俺はケチだから寄付金などはしない。

でも、11回目のコーヒーチケットくらいはサービスするよ。

でも、きっとアキコさんに叱られそうだな。

〝飛行機が飛ばなくなるからやめてよね〟って…。

【コーヒーチケット・おわり】

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