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10分屋【ARS・N】

第11章 先に生まれただけの僕たち

鳴海「ということで、どうしても君の力を借りたい。お願いだ!」

二宮「えー、そんなこと言われても困るよ。頭上げてよ。」

深々と頭を下げるその男の肩を抱いて、起こした。

鳴海「わが京明館高校は、経営危機におちいっている。偏差値40、部活動も盛んとは言えないわが校が受験者数を増やすには、これしかないんだ。」

二宮「だから、卒業生の俺が京明館のポスターに? そんなの事務所に言ってよ!」

俺の前に座っているクリクリ目の男は、京明館高校の新しい校長だという。

歳の頃は30半ば、俺とそんなに変わらないくらいだ。

鳴海「事務所に依頼したら、ものすごい額のギャラを提示された。学校が赤字なのに払える訳がない。」

鳴海校長は、頭を抱えた。

二宮「で、俺に事務所と交渉しろと?」

鳴海「そうなんだ! 君自身が母校の為に尽くしたいという熱意を事務所に伝えてボランティアでやると言ってくれないか? 寸志くらいは出せると思うから。」

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