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10分屋【ARS・N】

第2章 ババ抜き

そこでアラームが鳴った。

「痛て…。」

俺は腰に手を当てながらよろよろと歩いてアラームを止めた。

「くそっ、何だありゃぁ!」

俺はソファにドカッと座り込んだ。

「黒い悪魔か…。」

甘い言葉でそそのかして他人の持ちネタパクろうなんて、確かに悪魔がすることかもな…。

「いやでも、悪魔はニノちゃんの公式設定でしょ…。」

テーブルに目をやると、モエモエが支払った100万円の札束。

札束を手に取ると、隠し部屋に戻り金庫を開けた。

金庫の中には、山のように積まれた一万円札。

その一番上にモエモエの札束を置こうとしたその時、札束の間から一枚のカードがすべり落ちた。

ジョーカーのトランプだった。

ゾッとした。

ジョーカーのカードを手に取りじっと眺めた。

モエモエには、俺の腹ん中全部読まれてたみたいだな…。

「本当に魔法少女かも…。」

俺はジョーカーのカードを札束の上ににのせるとそっと金庫を閉じた。



【ババ抜き・おわり】

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