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10分屋【ARS・N】

第2章 ババ抜き

モエモエの目が一瞬光ったかと思うと、俺の体は宙に浮き、そのまま壁に叩きつけられた。

「痛ってぇ…!」

っか、今の何!?
俺、どうなったの!?

「黒い悪魔、カズくんの中から出て行ったんだお!もう大丈夫だお!」

モエモエが俺に駆け寄り腕を引いて起こしてくれた。

「モエモエって、本当に何者…?」

俺は朦朧とした頭で聞いた。

「さっきも言ったお!モエモエは魔法少女だお!何度も聞かないのだお!」

モエモエはぷりぷり怒りながらトランプをウサギ型のポシェットにしまうと、俺に向き直った。

「カズくん、バイバイだお!ババ抜き楽しかったお!」

そう言ってモエモエはドアの向こうに消えて行った。

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