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10分屋【ARS・N】

第3章 卒業

ゴリは白眼をむいてハァハァしている。

パニクってる。

俺はゴリの頬を往復ビンタした。

「しっかりしろ、俺の目ぇ見ろ。」

ゴリは、ハッと我にかえってコクコクとうなづくと俺の目を見た。

「深呼吸だ、吸って、吐いて…。」

深呼吸をやって見せると、ゴリも真似をして息を合わせた。

何だよ、立ち会い出産かよ。

おかしくなって笑えてきた。

そんな俺を見て、ゴリも笑った。

初めて笑った。

何だよ、笑うとかわいいじゃん。

ゴリの体の力が抜けた瞬間、一気に貫いた。

「ヒイッ!」

ゴリが歯を食いしばった。

俺はゴリのでかい腹にしがみついて、腰を押し込んだ。

ゴリの内膜が俺自身にまとわりつき、締め上げる。

駄目だ、持ってかれる。

必死でこらえて腰を打ち進める。

ゴリの中で何か弾ける感覚が伝わり…、

俺自身が最奥まで到達した。

同時に俺はゴムの中に熱をぶちまけた。

俺はドサッとゴリの腹に体を預けた。

温かくてやわらかくて、気持ちいい。

母さんの腹ん中って、こんな感じだったのかな…。

「ゴリ、卒業おめでとう…。」

遠くでアラームの音がした。

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