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10分屋【ARS・N】

第1章 裏家業 10分屋

「そんな…、こんな体のままじゃ帰れないわ…!延長して?あと10分…、もう100万払うから!」

中年女がすがりついてきた。

「延長はないって、最初に言ったろ?」

中年女はベッドにうずくまって泣き出した。

「俺、アナタに会ったのが初めてだったから緊張しちゃって…。気持ちよくしてあげられなくてごめんね?」

そう言って、中年女の分厚い唇に、チュッと音をたててキスをした。

「また来て…?次は必ず絶頂に連れていってあげるからさ。絶対に来てね…?」

俺はガウンを羽織ると部屋のドアを開けた。

「そうだ…、悪いけどあと10分で帰ってくれる?戸締まりするから。」

俺は後ろ手にドアを閉めて部屋を出た。

部屋からは中年女の悲鳴のような泣き声が聞こえてきた。

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