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10分屋【ARS・N】

第5章 ゆるして

二人の女性は、キョロキョロとしながら応接室のソファに腰かけた。

その様子を確認し、俺は隠し部屋から応接室に入った。

ドアを開けると、いきなり老婆が駆け寄りすがりついてきた。

「兄ちゃん、どこに行ってたの!?」

初老の女性が、老婆を優しく諭してソファに座らせた。

老婆は、ソファに座った今でも俺のことを見つめ、「兄ちゃん」と呼び掛けている。

「依頼は?」

俺の問いかけに、初老の女性が答えた。

「母をゆるしてください。」と…。

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