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10分屋【ARS・N】

第5章 ゆるして

それから半年ほどたった頃、秘密のメールにキヌエの娘から連絡があった。

キヌエが息を引き取ったと。

眠るように安らかな顔だったと。

俺に対する感謝の言葉がつづられていた。

俺はグラスに水を汲んで飲み干した。

「今ごろ、本物の兄ちゃんに会ってんだろな…。」

俺は静かにグラスを置いた。

【ゆるして・おわり】

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