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10分屋【ARS・N】

第2章 ババ抜き

どう見ても、おたく文化のスターティングメンバーそのもののモエモエ。

ツインテールに強烈なアニメ声が耳を突く。

「で、本日のご依頼は…?」

俺はモエモエに問いかけた。

「ババ抜きがしたいんだお!」

モエモエはウサギ型のポシェットから、トランプを取り出した。

「二人でババ抜きすんの!?」

「そうだお!」

確かに、依頼のメールには『トランプ』と書かれてたけど、てっきり『手品を見せて』ということかと思ってた。

呆気にとられている間に、モエモエは手際よくカードを切っていった。

カードの山を2つに均等に分けると、ひとつの山を俺に差し出した。

「用意できたんだお!」

「お、オッケー…。」

俺はアラームを10分間にセットした。

「10分限りのセッション、始めるよ…。」

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