カワイイ子には気をつけて。
第8章 eight
「は?」
「んでさ、父さんの顔も思い出したくないんだって。
俺、父さんにそっくりなのに。」
=出てけってことだ。
ヤバイ…泣きそ…
ギュ…
竜弥の暖かい匂い…
「…泣きなよ。」
「…なんで…そんないつも…優しいの」
「んー…何でかなぁ?」
その優しい声にその暖かさに
自然と涙が溢れる…
「…ありゃりゃ…
さては、こんなに泣き虫に熾くんがしたんでしょ。
ダーリンはこんなことした覚えがないぞー」
「…っるさい…アハハッ…ズルッ…」
「でも、ここで泣くんじゃないでしょ?」
パッ…
抱きしめられていた手は解かれて、
涙で滲んだ視界の先には
手をひろげて待つ熾の姿があった。