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その夜

ヒカルとサクラコは
まっとうに
汗を流して働く決意をした
ユウキを夕飯に誘った。

ユウキは
ヒカルとサクラコに
身の上話をした。

ユウキは18歳。
滋賀県の田舎に生まれた。
実家には10歳年上の兄がいるそうだ。
実家は小さい蕎麦屋をしているらしい。
母は彼が幼い頃に
他に男を作り家を出ていった…。
ユウキには兄とは別に
5歳上の姉もいたが
3年前に20歳で白血病を患い亡くなった。

すでに働いている兄と
蕎麦うち職人で仕事ばかりの父…
ユウキに家庭の暖かさを
唯一感じさせてくれた
姉の死を境に
ユウキは道を踏み外していった…

『親父にも、兄貴にもなんの期待もされずにいた俺だったから…　　いや…ヒカルさんの【やり直せる!!】って言葉が…嬉しくて…』
と
ユウキは泣き出した…。

ヒカルはそんなユウキを眺めて
なんか…
頼りないけど
放っては置けない弟みたいな感じ…

そう思った。

サクラコは
ユウキに
『なにかあったら、私たちに連絡しなよ!!』
とユウキを励ました

ヒカルは
『ユウキ!!お姉ちゃんになったげるからね!!あんたは一人じゃないぞ!!』
と肩をポンポンと叩いた。

ユウキは
ヒカルに決意を告げに来たことは
正解だったと
心からそう思った。

『明日から仕事見つけるぞ!!なんでもするよ…』
そう心に誓った。