
Face or Body
第25章 展開
とっさに身構えたあと…
ヒカルは後悔した
―――しまった!!カマをかけられていたら
すべてを台無ししてしまう……。
しかし
すでにもう遅い…。
『あなた… 何者?』
ヒカルは
キッと瞳を男に向けて
睨みてけた。
男は前歯が一本抜けた笑顔で
『こっちおいで…』
と周囲を見渡すような大袈裟な態度をとると
ヒカルに
『敵じゃない!!味方とも言えないが…』
と小声で囁く
ヒカルは警戒しながら
再び男に近づき間合いをつめた。
『よかった…。元気いいお嬢さんだから、懐に素早く入られて、投げ飛ばされたら…って思うとこっちまで緊張したよ…』
と男は全裸のヒカルを抱き締めて
耳もとに唇をつけて
『もと公安部。青柳圭一郎【アオヤギ ケイイチロウ】… 嘘だと思うなら25年ほど前まで遡りしらべろ!!警視庁のパスワードとIDないと無理だが…』
男の意外な正体に
ヒカルは目を点にしたが
大きなヒントを得た。
青柳はかつて
神奈川県警内部の
情報漏洩を内偵調査していた
対象者の名前は伏せたが
青柳が公安の人間であることがバレ
その対象者とおそらくは
繋がりが強かった京浜会により
捕らえられリンチを受けて
海へと投げ棄てられた…
親切な漁師に救助され
奇跡的に命は助かった
しかし
記憶を喪失してしまった
そして青柳は25年前に桃花園に
流れ着いた…
ところが
25年の時を経て
数か月前に突然に記憶が戻ったのだ…
ただ
公安では内偵活動中に
音信不通になった者は
一定期間ののち
遺体すら見つからないが
殉職者となり籍を外されてしまうのだ。
『行きながらにして、もう青柳圭一郎は存在しないってことさ…』
と寂しげに呟いたあと
ヒカルにささやいた。
『サトピを見たとき、俺は彼から漂う空気が昔のおれそっくりの空気だからピンときた…。 きっとあの母乳が出る女を何らかの事情で探してる警察官だろうなぁ…ってね』
さらに
『俺、聞いたんだよ…。たまたま公園に野宿しててさ… 確か…カマダなる男が【オヤジが奈々さんとヒロシを助けてやるから、夜のうちに荷物まとめて、柚子が丘の洋館にこい!!】と話しているのをさ…』
と話を続けた。
ヒカルは警戒心を解いて
男に寄り添いながら
話を聞いた。
ヒカルは後悔した
―――しまった!!カマをかけられていたら
すべてを台無ししてしまう……。
しかし
すでにもう遅い…。
『あなた… 何者?』
ヒカルは
キッと瞳を男に向けて
睨みてけた。
男は前歯が一本抜けた笑顔で
『こっちおいで…』
と周囲を見渡すような大袈裟な態度をとると
ヒカルに
『敵じゃない!!味方とも言えないが…』
と小声で囁く
ヒカルは警戒しながら
再び男に近づき間合いをつめた。
『よかった…。元気いいお嬢さんだから、懐に素早く入られて、投げ飛ばされたら…って思うとこっちまで緊張したよ…』
と男は全裸のヒカルを抱き締めて
耳もとに唇をつけて
『もと公安部。青柳圭一郎【アオヤギ ケイイチロウ】… 嘘だと思うなら25年ほど前まで遡りしらべろ!!警視庁のパスワードとIDないと無理だが…』
男の意外な正体に
ヒカルは目を点にしたが
大きなヒントを得た。
青柳はかつて
神奈川県警内部の
情報漏洩を内偵調査していた
対象者の名前は伏せたが
青柳が公安の人間であることがバレ
その対象者とおそらくは
繋がりが強かった京浜会により
捕らえられリンチを受けて
海へと投げ棄てられた…
親切な漁師に救助され
奇跡的に命は助かった
しかし
記憶を喪失してしまった
そして青柳は25年前に桃花園に
流れ着いた…
ところが
25年の時を経て
数か月前に突然に記憶が戻ったのだ…
ただ
公安では内偵活動中に
音信不通になった者は
一定期間ののち
遺体すら見つからないが
殉職者となり籍を外されてしまうのだ。
『行きながらにして、もう青柳圭一郎は存在しないってことさ…』
と寂しげに呟いたあと
ヒカルにささやいた。
『サトピを見たとき、俺は彼から漂う空気が昔のおれそっくりの空気だからピンときた…。 きっとあの母乳が出る女を何らかの事情で探してる警察官だろうなぁ…ってね』
さらに
『俺、聞いたんだよ…。たまたま公園に野宿しててさ… 確か…カマダなる男が【オヤジが奈々さんとヒロシを助けてやるから、夜のうちに荷物まとめて、柚子が丘の洋館にこい!!】と話しているのをさ…』
と話を続けた。
ヒカルは警戒心を解いて
男に寄り添いながら
話を聞いた。
