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ヒカルはそんな各務の態度に

―――この人は、誠実な人なんだ。その誠実な実直さを掻きむしるように、私たちに潜入を顔色変えないで命じてるんだ……。

ヒカルは各務についていこうと誓った。

『私…　各務さんを許さないわ!!だって…だって…　新婚1か月目の私をソープ嬢として潜入捜査させて主人以外の男性とセックスさせて………………!!』
とヒカルはその場で
泣き崩れるしぐさをした。

慌てる各務は
頭を深々と下げたままだ。

するとヒカルは
しゃがみこんだままで
『ダメだよぉ。カガミン!!　【なに甘ったれてンだ!!】って叱らないと。』
ヒカルは笑顔で
各務に言葉を投げた。

各務は
また苦笑いした。

『巻町は、忠興に鍛えられたんだな…』
と囁いた。

『私はデーブさんに鍛えられたりしてませんでした。ただデーブさんは私に相棒としていつも横で寄り添ってくれただけですよ。』
と
切れ長の目を輝かせて
ヒカルは答えた。

『各務さん、係長ですが…これからカガミンって呼んでいいですか？　自分の正義で動ける機動捜査係だもん。みんなガラス張りでフランクに行きましょうよ!!　カガミンひとりで権力と戦ったら負けちゃいますよっ。みんなで戦いましょ。今回の敗北は、いつかの日の糧ですよ～。』
とヒカルは
可愛く力瘤をうでに作った…。

各務は
ヒカルになんだか
勇気をもらえた。
そして
ヒカルに
『嬢ちゃん…、って呼んでいいか？』と
尋ねた。

ヒカルは
『はい!!カガミン係長!!』と
笑顔で答えた。

敗北で終わった
ヒカルの機動捜査係での初任務…
県警本部の屋上に
3月の風がそよいだ…。