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ヒカルは
9日ぶりに家路についた…。

横浜の県警本部から
クルマで45分ほどの
海浜市内の川島駅ちかくに
ヒカルとアキラの新居がある…。

ヒカルの運転するクルマが
家に近づくにつれ
ヒカルの胸がとめどなく痛む。

潜入捜査とはいえ…
それが任務とはいえ…
この8日の間
1日も休むことなく
夫婦に扮したサトルとの情交…
ソープ嬢に扮しての
不特定多数の男性との
セックスを交わしたことは
紛れもない事実。

汚されきっちゃった……。
お口も…
花園とその奥にある蜜をたたえた泉も…
うしろの菊門まで…

これからも
機動捜査係に所属する限り
延々と同じように
身体を使っての捜査が続く…。

アキラに胸を張って
『頑張ったよ』
『ただいまっ』と言えるのか…？

アキラの
『おかえり』の言葉に
私はどんな顔して
ちゃんと瞳を見つめて
笑顔で
『ただいま』って言える資格はあるの？

機動捜査係の女刑事としての正義と
旦那であるアキラへの妻としての貞操観念は
180度ちがう向きに存在する…。

『あと5分くらいで着くなぁ…』

ヒカルは
揺れ動く心を
うまくコントロールできないまま
家路につく。