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Face or Body

第29章 ほの暗く猟奇な世界

ク――――――――――――――――――――――――――――っ!!

たまんなかったなぁ…!!

カオル…

最高だったよ――――――――!!

カオルは
いつもみたいにあの日
颯爽と俺に会いにきた。

鎌倉のちょっとお洒落なカフェで
ランチして
湘南海岸を眺めながら
バイクでツーリングしてから
海がみえるレストランで
偽物の取材をして…

そのあとで
花束を渡して口説いたら
瞳を潤ませながら感激していた。

俺を連続猟奇殺人犯の戸畑仁であることに
カオルは気づくどころか
もしかして…
これが運命の出会い?って感じで
戸田仁なる俺の芝居に
ドキドキしてた…
まるで
恋する乙女のしぐさだったよ。
30過ぎてみっともなくて
思わず同情してしまうほどだった。

俺は取材が終わったあと
『カオルさんの年上の魅力に、俺…落ちてしまいました』
…なんて
クサイ台詞に
カオルは劇的に引っ掛かったよ…。

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