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Face or Body

第30章 日記…

ヒカルは
県警の受付にある
防犯カメラを
朝からずっとチェックを入れていた。

そう…
カオルが雑誌の取材の交渉を
受けた日のものを…

――……あの翌日から
カオルは少しずつ
【女】の部分が覗きはじめた。

――……これだ!!
受付のある玄関ロビーに
カオルが表れて
男性に会釈をしている。
相手の男性はまだ20代前半であろうか?
いわゆる細マッチョ系の
美男子である。
男がカオルに名刺を手渡している。

時間にしては
わずか5~6分の会話を終えて
カオルと男は別々の方向に別れて
画面から消えた…。

ヒカルはサヤカとともに
まだ片付けられていない
機動捜査係のカオルのデスク
カオルのロッカーをすべて探して
その男から手渡されていた
名刺を探したが
見つけることはできなかった…。

カオルの生前の
几帳面さが
カオルのデスクのなかから
ロッカーのなかから
漂ってきた…。

そのぶん
あの悲惨で無惨なカオルの最期の姿が
悲しくてならなかった…。

ネット上では
いくら削除しても
削除できないくらいの頻度で
カオルの生前の写真がアップされ
【マン◎のビラビラ切られて死んだスキモノ婦警】なる
カオルへの誹謗と中傷が広まっていた…。

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