テキストサイズ

Face or Body

第4章 ヒカル&アキラ最初の事件

(海浜新町~ 
  ドアが開きます~ ご注意ください)

アナウンスとともに
それまでの
満員すし詰め状態の
アンバランスなバランスが崩れた。

ヌプっ…

膣口から抜かれた男の指の感覚を
感じた瞬間!!

ヒカルは
身を翻して
男の腕をつかみ
男を睨めつけて
『一緒に下車してください!!』と
毅然とメガネの奥から
鋭い視線を送った。

その男は
ヒカルと同年代の
華奢で小柄な男だった…
ヒカルはついさっきまで
異様な性欲を放ち
ヒカルの身体さえも
屈辱感一杯になるまで
追い込んだとは思えないその男の雰囲気に
一瞬
拍子抜けをしたものの
気を引き絞めて
男の手をつかんでホームへと下車した

その後ろから
乗客を掻き分けて
アキラもホームへギリギリのタイミングで
降りることに成功した。

ヒカルは
その男に
『今の行為を説明してください。 とりあえず駅務室に一緒に…。』
と伝えたが
その瞬間に
男はヒカルを全身の力を集中させて
ヒカルが掴んでいた腕を振りほどいた。

『な、なんのことだよ!!分かんねえよ!! 俺、今日は大事な日なんだよ!! なに人違いしてンだよ!!』

男はヒカルに叫びながら
ホームを走り
駅舎の雑踏へと走り去ろうとした。

その走り去る男を背後から
アキラが追う!!
数秒後…
アキラはその男の襟首を背後から掴むや
柔道の出足払いのような技で
押し倒して

『どなたか駅の係員さん、もしくは110番を!!』

指示をした。
ヒカルは遅れて
駆け寄り
アキラに組みしかれて
動揺する男に

『なぜ逃げたんですか? あなたのせいでいったい何人の女性が涙を流して、心の傷を抱えたと思う?』

とヒカルは過去の
連続婦女暴行および傷害事件の
被害女性たちの
悲しい姿を脳裏に浮かべながら
メガネの奥から強い視線を送りながら
その男を睨みつけた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ