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Face or Body

第42章 決着…時の流れのなかで

そんな話を
大作に語っていた山縣なる男に
大作は
『だからって、お前に何ができる?言ってみろ? 確かに大海も長谷場も檻の中だ、しかし息子が戻るまで、半世紀もベイエリアを支配した港竜会がつぶれるなんて、潰せるなんてお前は信じてるのか?バカじゃねえか?』
と嘲り笑うような
言葉を投げ返した。

『寂しいな…。あの腕っぷしが強くて、しかも頭の回転も早かった大作あんちゃんがな… …私もそうだけど歳はとりたくない。』
そう山縣は呟いたあと…

『てめえの足もとをつねに確認できなくなった時点で、おめえはすでに終わってンだ!!』
とはじめて
山縣はドスのきいた
大声をだして
傍らにいた屈強な部下の男に
電話をさせた。

屈強な男からスマホを受け取った
山縣はとある人物と
流暢にも中国語で会話を交わしたあと

『大作あんちゃん… …代われといわれたから、出てみてください』
と柔らかな声で
大作に囁いた…。

電話にでた大作の顔色が急変したのは
そのあと1分も
かからなかった…。

大作の傍らにいた四条は
状況を読みきることができずに
戸惑いのなかにいた…。

アアア――――――――――――――っ!!
アアアあああああ―――――――――っ!!
うぐぐぅ――――………………………っ!!

まるで
断末魔のような大作の発する絶望の響きが
会長室内から
ビルの外まで突き抜けるごとく
轟いていた。

その一部始終を
屈辱的な姿で
半分精神が崩壊していく感覚と
必死に戦いながら
サヤカは聞いていたが
その展開により
港竜会が経済力と勢力復活のために
手を伸ばした
奴隷密輸という目的の
連続婦女失踪事件が幕引きになったことを
感じていた…。

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