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Face or Body

第44章 マイ スイートホーム

パーティーが終わり
みんなが帰ったあと
ヒカルとアキラに
ヒカルの母美里は
『アキラさん、お疲れさまでした。いつもヒカちゃんが心配かけちゃってごめんね。でも、ヒカルが帰ってきたんで、私…明日山口に帰るわね。』
と告げた。

『え―――――!!??どうして? 前に約束したじゃん!!横浜を案内するって~。』
とヒカルは
残念そうに恨めしげに
美里に言葉をかえす。

『あらら…。ごめんね~。私もヒカちゃんと横浜をブラブラしたいけど… ほら…ケン兄ちゃんの今度法要でしょ?色々準備しなきゃね…』
と美里

ヒカルの兄は
薬物常習者から暴行を受けようとする
女性を身を呈して庇い
19歳の短い人生を終えたのだった…。

ヒカルが理不尽な暴力に
怒りを覚え警察官になることを決意した
きっかけであった。

『そっか… そうだったね… 法要は8月だったよね? アキラと一緒に山口に帰るからね。お兄ちゃんにアキラをお墓から見てもらわなくちゃ』
ヒカルがアキラに視線を送りながら
美里に返事をした。

美里は翌日
山口へと帰っていった。

この別れが
ヒカルと美里の母子の
永遠の別れになることを
二人はまったく
予想しなかったが…。

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