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工場内は
割れた窓ガラスから降り注ぐ
太陽の光で予想外に
明るかったが
機械の赤茶色に付着した錆が
不気味感を漂わせていた。

一歩一歩
周囲に注意をめぐらせながら
ヒカルは右手に
アルミの棒をもって奥へと進んでいった。

カラ――ン!!
地面に落ちていた機械の部品が転がる音が
ヒカルの背後からした。
ヒカルが振り向くと
そこには
角材を手にそれを
ヒカルに降りかがそうとした男がいた!!

ヒカルは
その攻撃を俊敏にかわすと
男の首筋に
アルミ棒を突きつけた。
男は急所を端的に突かれ
もんどりうってその場に倒れこんだ。

『あなたが、ひったくりですか？』
ヒカルは冷静に男との距離をつめながら
男に確認した。

『…………。……………。』
男は急所をおさえて
無言でヒカルを睨みながら頷いた。

『私は警察官ですが、今日は休暇中です。ただしすでに警察には通報しています。おとなしくそのばにうつ伏せになり動かないでいてください』
とヒカルは毅然と男に指示をした。