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Face or Body

第49章 罠

ヒカルは男に向かい

『あのおばあさんから奪ったバッグはどこですか?』
とうずくまり
ヒカルに突かれた首筋を押さえる男に
問いただした。

男は無言でもう一方の手で
奥にある
赤錆が浮かび上がった機械の方を指差した。

ちょうど割れた窓ガラスから
差し込む日差しで
影になっていた機械のあしもと
ヒカルが目を凝らすと
黒っぽいバッグが無造作におかれていた。

ヒカルは
『動かないで、そのままの姿勢を保ちなさい』
と男に命じて
そのバッグのほうに近づいた。

―――……と、その時!!
機械の影から
複数の男が
ヒカルに飛びかかってきた!!

ヒカルはまず
最初の男の胴を手にしていたアルミパイプで
撃ち抜くと
振り向きざまに2人目の男の咽もとに
突きをみまいった。

しかし
背後から男にアルミパイプを握った右腕を
掴まれる……。
ヒカルは踵で背後の男の足の甲を
踏み込んで
男がヒカルの腕を掴む力が抜けた刹那…
ヒカルは腕を振りほどいて
前方に飛ぶと身体を反転させて
男の則頭部にハイキックを浴びせた。

ヒカルに倒された3人の男たちは
痛手を受けながら
立ち上がり
ジリジリとヒカルとの間合いを
詰めはじめる…。

ヒカルは手放したアルミパイプとの距離を
視野の片隅に確認すると
ギリギリまで男たちを引き付けて
アルミパイプへと
ダイビングしてパイプを握りしめた。

ヒカルに覆い被さるように
3人の男たちも飛び込むように
ヒカルに群がったが
ヒカルの端的な突きにより
3人の男たちは
吹っ飛ぶように地面に叩きつけられた。

『もうそこまでです!! 全員地面にうつ伏せなさい!!』
ヒカルは息があがりつつ
そう声を強めて男たちに静止を促した。

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