テキストサイズ

Face or Body

第53章 再会 ~ダンナとオヤジ

横浜海浜組

ベイエリアの開発や
インフラ整備に関わる公共事業など
首都圏の
土木工事を一手に引き受ける優良企業

首都圏の大学生が
入社を希望するトップ30には
常時名前を連ねている。

創業者で
社長でもある時任一朗は
ベイエリアの港湾労働者からの信頼も暑い
篤志家でもある…。


山縣の兄貴…
あのどん底の地獄から50年以上だよ…
お互いに歳とったよな…。

村山一平は
横浜海浜組の本社ビルを見上げて
タバコを1本くわえて
火をつけた。
そして
吸い込んだタバコの煙を
いっきに本社ビルのてっぺんに向けて
吐き出した…。

山縣の兄貴…
もう十分だろ?
あんたは最後まで
絶対悪としていた薬物に手をつけないで
あの港竜会から
ベイエリアを取り戻したんだから…

この町の平和の影の功労者だよ。

なのに
なぜ?
たかが女性警察官1人を
なぶるように責めるんだ?

だれが山縣の兄貴にこんな
暴挙をさせてるんだ?

いつか
山縣の兄貴とも決着をつけないとと
思っていたが…
その日も近いってことか?

そんなことを考えながら
本社ビルに背を向けて歩き始めた村山の前に
9月の夕日に照らされた人影が
腕を君で村山に立ちはだかっていた…。

村山はそれに気づき
苦笑いした…

そして
おもむろに口を開いた…
『50年ぶりだよね兄貴…』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ