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Face or Body

第8章 確保へ…

『もうここまでなよなぁ…』
石渡は
首を垂れ下げて
石綿を背後から
羽交い締めしているデーブに
『連行してくれや… ただ…パンツとズボンだけはかせてくれ… …それも…だめか?』
消え入るくらいの声で
石渡は哀願した。

デーブとヒカルは
アイコンタクトをとり
石渡に下着を着けさせた。

ヒカルはその間に
放心状態の美咲に服を着せた。

と!!
その時…。
石渡が自分の服にくるんだ何かを
デーブの太ももに押し付けた瞬間!!

ズボッ!!
鈍い音とともに
デーブが太ももを押さえて倒れこみ
苦悶の表情をした。
その太ももからは
ドクドクと大量の出血が…

『ケ――――――――ケッケッ…… ククッ!!ククク―――――っ!!』
狂気を含む不気味な笑い声がした。

石渡は作業着のズボンに
模造拳銃を隠し持っていたのだ…

合成麻薬【マッハ】とともに
暴力団港竜会から
石渡は模造拳銃まで入手していたのだった…

『あんたのせいだぜ!! あんた…エロいよ… ハアハアハア… さっき俺を睨んだろ?息がかかるくらい近くで俺を睨んだろ?』

ヒカルは石渡の言葉の意味が
すぐには理解できなかった…

『あんたの息… いい匂いしたんだよ!!』
『あんたの睨んだ目… エロいんだよ!!』
『あんたの唇… たまんなく美味そうなんだよ!!』
『あんたの唇のホクロ… 舐めてえ…』

『あの女より極上だから… あんた… おい!! ヤラセロ…。』
と石渡は
すでにボロボロになり石のように
固まったままの美咲を指差しながら
ヒカルに狂気で支配された
ケダモノの視線を向けて
おぞましい微笑み見せた。

ヒカルは自分が
石渡の標的になっていることを
実感した…。

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